ITアウトソーシングの活用ポイント
- ITILに準拠したITサービスマネジメントを強化
- ITアウトソーシング戦略を見直し、適材適所のマルチアウトソーシングを導入。利用者の満足度も向上
- ITサービスの変革を実現するため、戦略的パートナーを選定

ITインフラの維持管理にユニアデックスのアウトソーシングを活用
攻めと守りを両立した戦略的な取り組みで経営効率向上に貢献
イメージング、インフォメーション、ドキュメントという3つの事業領域を持つ富士フイルムグループは、AIやビッグデータなど高度化したITをビジネスに活かし、スピード感を持った事業への貢献と経営効率の向上につなげるべくさまざまな施策を検討、実施している。その1つとして2016年から自社ITインフラの維持管理をアウトソース化しており、豊富な経験を持つユニアデックスのサービスを活用している。
導入までの経緯
導入後の効果
富士フイルムグループでは、2011年頃から主に業務アプリケーションの運用・保守でアウトソーシングを活用し、コストの最適化とサービス品質の維持向上を図るとともに、社員を付加価値の高い業務分野へシフトするなど、IT部門の改革に取り組んできた。その過程で得られた成果と課題を整理した結果、ITの高度化やIT部門に求められる役割の変化を踏まえた、より戦略的なアウトソーシングへの取り組みを検討していた。
「AIやIoT、ビッグデータの技術の急速な普及に伴い、経営からはITの徹底活用による競争優位、事業部門からはビジネスモデルの変革、営業部門からはデジタルマーケティングの強化など、より高度な役割がIT部門に求められています。こうした期待役割に対応しつつ、企業の競争力強化に役立て、ビジネスにより大きく貢献するには、IT部門の社員中心で担ってきたITインフラの維持管理もアウトソーシング化することを考え、対応の方向性を検討していました。」と柴田氏は話す。
「これまでアウトソーシングしてきた業務は、サービスレベルとコストの関係を含め、SLAを重点的に管理しながら提供してきましたが、社内でヒアリングしたところ満足度が必ずしも高いわけではないことがわかってきました。社員主体のITインフラの運用・保守でも同様の問題が散見されました。こうした社内ユーザーの声を真摯に受け止めて解決する必要性が強まり、1つの転機を迎えていたと言えます。」
同社では、これまでのアウトソーシング業務に対する課題と、経営やビジネスの観点から対応強化が必要となる要件をまとめ、ITIL(ベストプラクティス)に準拠したITサービスマネジメントの強化、利用者満足度の向上、ベンダーロックインにならない適材適所のマルチアウトソーシングなど、変革のための6つのポイントを定義。それらの要件を満たせるアウトソーシング先のベンダー選定を進めた。
「ITインフラ部分をアウトソーシングするので、実績や安心感は重視しました。また、1社だけに任せてすべての領域に画一的なサービスを当てはめるのではなく、複数ベンダーと協業して柔軟に対応できるような可能性も考慮しています。業務を通して得られた情報を蓄積、分析して、改善していくプロセスを一緒に進められる、中長期的な視点で協力関係を構築できるパートナーを選ぶことは、変革のためのポイントの1つでもありました。」
候補となった複数のベンダーに提案依頼書(RFP)を提示して各社の提案を受け、その内容を基に絞り込んだ結果、ユニアデックスが採用されることとなった。ITインフラに対する経験、知見、ノウハウが豊富であり、担当者やプロジェクト間の引き継ぎに要する期間や工数の削減にもつながるという期待があったと柴田氏は話す。
「当社ではガートナーなど中立的な調査機関のデータを日ごろから活用していますが、ユニアデックスは国内の調査でシステム運用関連サービスにおいて、顧客満足度5年連続1位※の評価を得ており、これは採用の大きな後押しになったと思います。ご提案の際には具体的な事例をいくつか紹介いただき、その内容も安心感につながりました。」
※日経コンピュータ顧客満足度調査システム運用関連サービス(情報サービス会社)部門において、2012年~2016年5年連続1位
アウトソースに関する業務の移管はいくつかの段階に分けて行い、利用者(従業員)に引き継ぎの変化を感じさせないよう配慮しながら進められた。主要業務は2016年春頃の契約締結から半年ほどで移管を終え、2017年2月の時点でその他の業務も切り替えを完了している。これを機に、以前は技術領域やシステムごとに設けていた複数の問い合わせ窓口を国内で一本化したことで、応対時の言語品質の問題は解消できた。受付時間も拡大したため、スムーズな返答やトラブル時の対応の迅速化も実現している。
「ユーザーからの評価はこれからですが、問い合わせ窓口のように改善を実感してもらっているところも着実に出てきています。今はさらに業務を効率化し、変革のポイントとして定義した要件の実現に向けて具体的なアクションを起こしていく段階と捉えています。現場のスタッフ間の一体感の醸成や、当社の企業文化を理解した取り組みなど、今後協働体制強化に向けステップアップしていく必要があります。ユニアデックスからもいろいろと提案をいただきながら、お互いにプロアクティブな姿勢で協働していきたいと思っています。」
2017年10月取材
IT分野のプロフェッショナルとして、ユニアデックスにはとても期待しています。当社のほかにもアウトソーシングサービスを提供している企業は多いと思いますが、そうした他社との経験を踏まえて客観的な助言や提言をいただけるとうれしいですね。現場業務から1つ上の視点で多角的に物事を見ていただき、定量的なデータを基にした分析と合わせて、よりよい方向へ改善していける建設的な取り組みを支援してほしいと思っています。(柴田氏)
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