システムの特徴
- 3万人以上の学生、教職員全員が主催者権限でCisco WebExを利用可能
- 慶應義塾大学独自の共通認証システムと連携する仕組みを新たに整備
- 各キャンパスが保有する既存のビデオ会議システムと相互接続をするための基盤

3万人を超えるすべての学生と教職員にWeb会議サービスを提供
共通認証システムと連携してスムーズに利用できる仕組みを構築
慶應義塾大学では、2017 年 2 月から東京都と神奈川県にある6つのキャンパスすべてで、3 万人以上の学生と教職員の全員が Web 会議サービス「Cisco WebEx」を利用できるようにしている。学術活動のグローバル化に対応し、日々の大学業務の効率化などにも貢献する施策として注目されており、ユニアデックスはその導入と構築、大学全体におけるサービス展開を支援している。
導入前
導入後
慶應義塾大学では学内のコミュニケーションツールとして、Cisco WebExを2008 年頃から職員と一部の教員が活用していた。安定性が高く好評を得ていたが、契約ライセンス数の制限から事前の申請が必要だったため、臨機応変な活用や広範な展開には至っていなかったという。そこで、大学全体の ITインフラ構築や運用を担っているITC 本部が全学展開を検討し、すべての学生と教職員が利用できるサービスとして提供することを決断した。
「留学生を受け入れる際に現地との面接を行う、日本から海外へ留学している学生が日本の授業を受講する、論文審査に海外の研究者を副査として付けるなど、大学のグローバル化が進む中で、場所にとらわれないコミュニケーションツールが必要な機会は大きく増えています。Cisco WebExはグローバルでの利用実績が豊富ですし、複数のユーザーが同時に参加できるサービスとして全学展開に適していると考えました。」と金子氏は話す。
2015 年に検討を始め、2016 年夏頃に全学への展開を正式に決定、導入・構築へと進めていった。Cisco WebExのアカデミックオファーを採用し、3 万人以上の学生と、教職員すべてが Cisco WebExを主催者権限で利用できる環境としている。これにより、誰もが自由に会議を開催することができるようになった。さらに、慶應義塾大学では「keio.jp」という独自の共通認証システムがあり、Cisco WebExを連携させて、すでに登録しているユーザーIDとパスワードでアクセスできるシングルサインオンの仕組みを構築することとなった。ユニアデックスはその開発と検証、運用サポートを担い、提案と議論を重ねながら対応していった。
「どのような仕組みが良いか、ユニアデックスからは複数のご提案をいただきまして、良いところ、懸念と思われるところを議論しながら最終的に現在の形へまとめていきました。全学展開で初めてCisco WebExに触れる人もいるので、マニュアルの整備や、スムーズな利用を促すカスタマイズのご相談とチューニングなどに数ヵ月ほどかかりました。」(山根氏)
「これほど大規模なプロビジョニングはあまり例がないということ、共通認証システムとの連携はある程度慣れていないと設定や対応が難しいことなど、いくつか懸念もありましたが、ユニアデックスには本当に粘り強く対応していただきました。正式にサービスの提供を始めてからはトラブルもなく、とても信頼性の高い仕組みを作っていただけたと思っています。」(坂東氏)
本格的な活用はこれから進み、授業や研究など学術目的のほかにも、教職員の会議、日々の業務など働き方の見直しとコスト削減にも効果が期待されている。また、Cisco WebExと合わせて導入したCisco Collaboration Meeting Rooms(CMR)Cloudでシスコ製はもとより、シスコ製以外の既存のビデオ会議システムとの相互接続性も維持されており、キャンパス間のコミュニケーションもさらに活発になると見込まれている。
「学生、教員とも、予想もしていないような新しい使い方をしてくるかもしれません。職員の場合は、会議などのスケジュール調整が楽になるといったメリットもあるでしょう。特に湘南藤沢キャンパスから三田キャンパスまでは片道 1 時間半ほどかかりますから、移動時間と交通費の削減につながると思います。また、例えば、教員が感染症などに感染してしまった場合でも、無理に出勤しなくても自宅からCisco WebExを利用して、業務を行うことができます。パンデミック対応や災害時にも役立ちますね。」(山根氏)
「Cisco WebExは非常に多機能なので、便利な使い方はまだまだあるでしょう。学内で説明会やデモなどを行っていくことも考えています。」(金子氏)
2017年06月取材
今回のプロジェクトは、日々の通常の業務を行いながら進めることになり、メンバーの負担が大きくなっていたのですが、ユニアデックスには常に丁寧で確実な対応をしていただきました。ユニアデックスの力を借りて、新しいコミュニケーション環境を整えることができました。 (金子氏)
これから利用が進んでいくと、ユーザーからはさまざまな要望が出てくるでしょう。中には無理難題もあるかもしれませんが、それをどのようにくみ取り、反映していけばより使いやすくできるか、私たちと一緒に取り組んでいただけることを期待しています。 (山根氏)
非常に大規模な事例となりましたが、ユニアデックスにはとても手厚くサポートしていただき、感謝しています。こちらの疑問や質問にもスピーディーかつ丁寧にお答えいただき、本当に助かりました。 (坂東氏)
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